幼児・子供がかかりやすい 無菌性髄膜炎
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無菌性髄膜炎という病気を耳にしたことはありますか?最近では、タレントの辻のぞみさんが発症したと報道されたことがあり、一時、ニュースで取り上げられました。では、無菌性髄膜炎とは一体どのような病気なのでしょうか?
無菌性髄膜炎について
まず、主な症状としては、頭痛、発熱、嘔吐の三大症状が挙げられます。発熱は、38-40度まで上昇することがあります。頭痛は、前頭部や後眼窩部のことが多く、羞明を見ることがあります。腹痛、下痢を訴える場合もあります。乳幼児では、抱っこされるのを嫌がる、眠りがち、不機嫌となる場合もあります。
確定診断には、後部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候等の髄膜刺激症状があることが必要です。また、髄液一般検査で定型的な検査結果を得ることも必要です。(培養検査において、病原体を確認できない場合)
髄膜刺激症状って何?
髄膜刺激症状についてについてご説明します。後部硬直とは、仰向けで寝て頭部を持ち上げるときに抵抗を感じる反応で、ケルニッヒ徴候とは、痛みの有無に関係なく、膝を伸ばすことが出来なくなる反応です。ブルジンスキー徴候とは、仰向けで寝て、検者が片方の手を患者の頭の下におき、もう片方の手を患者の胸の上において身体が起き上がらないようにして、頭部を持ち上げると、伸ばしていた両方の足が、自動的に股関節、膝関節で曲がり立ち膝になる反応です。
無菌性髄膜炎の病原体
無菌性髄膜炎は、ウイルス性を疑い語られることが多く、多くは良好な経過をたどります。しかし、ウイルス以外での病原体を含むものは重症となることが多いと言われています。ウイルスにおいては、エンテロウイルスの割合が多く、このウイルスの流行期である初夏から秋にかけて流行が見られます。かかりやすい年齢は、幼児から学童期が中心です。その他、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、マイコプラズマウイルスも原因に挙げられます。
無菌性髄膜炎の感染経路
接触、飛沫、食べ物を介する、接触等様々ですが、病原体保有者の、糞口感染、飛沫感染が主です。潜伏期間は、4-6日と言われています。
無菌性髄膜炎の治療
多くは脱水予防のために点滴治療が行われます。また、いくつもの細菌感染を念頭に置く必要性があるため、入院治療は必須です。ウイルス性疾患に対しては、対症療法(出た症状に対する緩和策)を行い、診断のための髄液採取により頭蓋内圧を下げることで症状が和らぐ場合があります。ウイルス性の場合は、経過良好の場合が多いですが、生後数か月以内の乳児においては、精神遅滞の危険因子ともなりうるため、治癒した後も経過観察が必要です。
感染予防策として、流行期の手洗い、患者との濃厚接触を避けることが大切です。これから秋も本格化していきます。まだ、油断の出来る時期ではないので、体力をつけて感染予防をしていきましょう。
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